2014

北加賀屋千島ビル 三宅砂織作品設置のご報告

三宅砂織氏によるフォトグラム作品《Room of sunlight (1),(2),(3)》(千島土地 所蔵)を、北加賀屋千島ビル地下1階共用通路に設置いたしました。

本作は、2013年10月、クリエイティブセンター大阪にて開催された、日仏若手作家のグループ展「みなとの物語-咲くやこの花賞受賞者、フランス新鋭作家展-」のために、現代美術作家 三宅砂織氏により制作されました。
長く北加賀屋千島ビル地下倉庫に保管されていた、芝川又右衛門邸の家具からインスピレーションを受けた作品です。
展覧会場では、インスタレーション作品《声の人々は、私はふたたび聞く Voice of people, I here again.》の一部として家具と共に展示され、「時を再構築した」空間を生み出しました。

過去の遺物に新たな生命が吹き込まれ、美術作品として再生した本作を通し、いまといにしえに流れる時間に思いを馳せていただければと思います。
ご自由にご覧いただけますので、北加賀屋にお越しの際は是非お立ち寄りください。

作品名|Room of sunlight (1),(2),(3)
作家名|三宅砂織
制作年|2013年
協力|FUKUGAN GALLERY
設置場所|北加賀屋千島ビル地下1階(住之江区北加賀屋2丁目11番8号)
所蔵|千島土地株式会社

【家具の由来について】
作品中の家具は、かつて兵庫県西宮市に建っていた芝川又右衛門邸で使われていたものです。
芝川又右衛門は当社を設立した芝川家の 5 代当主で、西宮市の広大な所有地で果樹園「甲東園」を経営していました。
明治44年、甲東園内に建築家・武田五一の設計による別邸を構え、知人の画家や財界人を招く社交の場として活用するとともに、昭和2年には同じく武田五一による増築が行われ、ここが隠居後の又右衛門の終の棲家となりました。
明治 44 年の建築は、1995 年の阪神淡路大震災で大きな被害を受けた後に解体され、現在は博物館明治村に移築されています。一方、昭和2年の増築部分は、2005 年の建て替え工事の際に 千島土地が家具や部材を可能な範囲で引き取り、芝川家ゆかりの品として大切に保管しています。

【三宅砂織略歴】
写真や広告などのありふれたイメージに潜在する思念、形式、シチュエーションなどに注目し、個人の内在と対象化された世界との関係性について 、絵画的な視点 から考察したフォトグラム(カメラを使わない写真)作品を制作している。また、多くの場合、複数のフォトグラム作品を場の独自性に合わせて構成したインスタレーションとして展示している。

1975 年岐阜県生まれ
1998 年京都市立芸術大学美術学部美術科卒業
1999 年 Royal College of Art(ロンドン)交換留学
2000 年京都市立芸術大学大学院美術研究科修了

<主な展覧会>
個展[Abstract dislocation](FUKUGAN GALLERY, 大阪 ,2013)、[realities or artifacts](Gallery Nomart, 大阪,2011)、グループ展[ キュレーターからのメッセージ 2012 現代絵画のいま ]( 兵庫県立美術館 , 兵庫 ,2012 ) など 多数。
<受賞歴 >
2010 年 VOCA 賞 ( グランプリ )、2011 年 咲くやこの花賞〔美術部門]、2013 年 Jeune Créat ion 奨励賞

【WEB】http://saorimiyake.com/